しみ・ニキビ・あざなどの肌の悩みに
〜トレチノイン、ハイドロキノンという選択肢〜
「できてしまったシミが気になる」「ニキビ跡の色素沈着をなんとかしたい」など、肌の色に関するお悩みは様々です。
当院では、医師の診断のもと、外用薬(塗り薬)による治療の選択肢をご提案しています。
このようなお悩みが気になる方へ
- しみ(老人性色素斑)、そばかす(雀卵斑)が気になる
- ニキビ跡が茶色く色素沈着になっている
- 炎症後に残ったシミが気になる
- レーザー治療の前に、まず外用薬を試してみたい
- ご自宅でのスキンケアで肌状態の改善を目指したい
当院でご用意している治療法
当院では、患者様のお肌の状態やお悩みに応じて、以下の外用薬による治療をご提案しております。これらは、医師の診察と指導のもとで使用する医薬品です。
肌のターンオーバーを促す働きのある外用薬
メラニンの生成を抑える働きのある外用薬
多くの場合、これら二つの薬剤を組み合わせた治療プログラムをご提案します。
| 治療薬 | 主な作用の仕組み | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| トレチノイン | 表皮細胞の分裂・増殖を促進し、肌のターンオーバーを促す | しみ、ニキビ、小じわ、ニキビ跡の色素沈着など | 肌の再生サイクルに働きかける。 使用初期に赤みや皮むけ(A-反応)が出ることがある。 |
| ハイドロキノン | メラニンを生成する酵素(チロシナーゼ)の働きを阻害する | しみ、そばかす、肝斑、炎症後色素沈着など | 新たなメラニンの生成を抑制する。 単体またはトレチノインと併用して使用される。 |
トレチノイン ~肌のターンオーバーを促す外用薬~
トレチノインは、ビタミンA(レチノール)の誘導体の一種で、ビタミンAと比較して約50倍~100倍も強力な生理活性を持つ医薬品です。この強力な作用により、肌細胞に働きかけ、ターンオーバー(新陳代謝)を促進させます。
その効果から、皮膚科領域ではシミ、ニキビ、小じわといった肌トラブルの改善を目的とした治療に用いられます。日本では医薬品として未承認のため、医師の診断と厳格な指導のもとでのみ処方されます。
特長
トレチノインは、肌に対して複数の作用を持つことが最大の特長です。表皮のターンオーバーを強力に促進するだけでなく、皮脂腺の働きを抑制したり、真皮のコラーゲン産生を促したりと、肌の様々な層に働きかけます。
期待できる効果
肌のターンオーバーを強力に促進することで、表皮に溜まったメラニン色素を排出し、シミの改善をサポートします。また、皮脂の分泌を抑制し、毛穴の詰まりを改善することでニキビの改善が期待できます。さらに、真皮のコラーゲン産生を促すことで、小じわや肌のハリの改善もサポートします。
こんな方に
- シミ(老人性色素斑、炎症後色素沈着)や、ニキビ跡の色素沈着にお悩みの方
- 治療をしても繰り返すニキビにお悩みの方
- 小じわや肌のハリの低下が気になる方
- より積極的なスキンケアを取り入れたい方
トレチノインの作用
- 表皮ターンオーバーの促進 表皮の細胞分裂を活発にし、皮膚の新陳代謝を強力に促進します。これにより、古くなった角質や蓄積したメラニン色素の排出を早める効果が期待できます。
- 皮脂腺の機能抑制 皮脂腺の働きを抑えて皮脂の分泌をコントロールし、毛穴の詰まりを防ぎます。
- 真皮のコラーゲン産生促進 真皮層において線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促し、肌のハリや弾力性を高める効果が期待されます。
よくあるご質問
使用中に皮むけや赤みが出ると聞きましたが、大丈夫でしょうか?
トレチノイン治療では、使用開始後数日で、ほぼすべての方に「A-反応(レチノイド反応)」と呼ばれる赤み、皮むけ、乾燥、ヒリヒリ感などが現れます。これは薬剤が効果を発揮している正常な反応ですが、症状が強すぎる場合は医師の指示に従い使用頻度を調整する必要があります。
どのくらいの期間で効果を実感できますか?
個人差はありますが、一般的に治療開始から4~8週間(約1~2ヶ月)程度で、シミの改善や肌質の変化を感じ始める方が多いです。
ハイドロキノンと併用することが多いのはなぜですか?
まず、必ず併用せねばならないというわけではありません。しかし、トレチノインが既存のメラニンの排出を促進し、ハイドロキノンが新しいメラニンの生成をブロックするというそれぞれの効果の相性が良いため、おすすめするクリニックが多いのは確かなことです。この2つを併用することで相乗効果が生まれ、より効率的なシミの改善が期待できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | トレチノイン / 軟膏 |
| 分類 | 医薬品(医師処方) |
| 使用方法 | 原則として1日1回(夜のみ)、洗顔・スキンケア後に、治療したいシミやシワに全体的に塗布してください。 但し、シミに対しハイドロキノンも塗布する場合はその上からはみ出さないようにピンポイントで重ねて塗って下さい。 ※翌朝は必ず洗顔料で洗い流してください。 |
料金
| 項目 | 料金(税込み) |
|---|---|
| トレチノイン / 軟膏 | 0.05%トレチノイン軟膏 5g:1,400円 0.1%トレチノイン軟膏 5g:2,100円 |
使用できない方、注意事項と副作用
使用できない方
- 妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性がある方(妊活中の方を含む) (胎児への影響が報告されているため、これらの期間の使用は絶対にできません。)
- 本製品の成分にアレルギーをお持ちの方
- アトピー性皮膚炎や湿疹など、皮膚に強い炎症がある部位
注意事項
- A-反応(レチノイド反応): 治療初期に高確率で皮むけ、赤み、乾燥などの反応が起こります。
- 紫外線対策の徹底: 治療中は肌が非常に敏感になるため、季節や天候を問わず、毎日必ず日焼け止めを使用してください。 紫外線を浴びると、かえって色素沈着が悪化するリスクがあります。
- 保湿の徹底: 治療中は肌が非常に乾燥しやすくなるため、低刺激の保湿剤で十分に保湿を行ってください。
- 使用部位: 目や口の周り、粘膜など皮膚の薄い場所への使用は避けてください。
副作用
- 上記のA-反応が主なものですが、それが過剰に出た場合の強い炎症、かぶれ(接触皮膚炎)が起こることがあります。
- 紫外線対策を怠った場合に、炎症後色素沈着が悪化するリスクがあります。
- 異常を感じた場合は、速やかに使用を中止し、医師にご相談ください。
ハイドロキノン ~シミの生成を抑える外用薬~
ハイドロキノンは、イチゴ類や麦芽、コーヒーなどにも含まれる天然に存在する化学物質で、強力な還元作用を持っています。その作用から、医療分野では主にシミの改善を目的とした治療に用いられる成分です。
シミの原因となるメラニン色素の生成を強力に抑制する働きがあることから、「肌の漂白剤」と表現されることもありますが、正しくはメラニンの生成を阻害する成分です。
日本では2001年の薬事法(当時)の規制緩和により、化粧品への配合が認められるようになりました。現在では、ドラッグストアなどで購入できる市販の化粧品から、皮膚科で処方される高濃度の医療用医薬品まで、様々な濃度の製品が存在します。
特長
ハイドロキノンは、シミの原因となる酵素「チロシナーゼ」の働きを強力に阻害する点が最大の特長です。さらに、メラニン色素を作り出す細胞「メラノサイト」そのものにも働きかける作用が報告されており、シミに対して多角的なアプローチが可能です。
期待できる効果
シミの原因となるメラニン色素の生成を抑制することで、新たなシミの発生を予防し、肌のターンオーバーとともに既存のシミが薄くなることをサポートします。トレチノインなど他の治療と組み合わせることで、より効率的な改善を目指すこともあります。
こんな方に
- できてしまったシミ(老人性色素斑、肝斑など)にお悩みの方
- ニキビ跡や傷跡の色素沈着が気になる方
- これからできるシミを予防したい方
- 他の治療(トレチノインやレーザー治療など)の効果を補助するケアを取り入れたい方
ハイドロキノンの作用
- メラニン生成の抑制 シミの元であるメラニンは、酸化酵素「チロシナーゼ」の働きによって生成されます。ハイドロキノンはこのチロシナーゼの働きを強力に阻害し、メラニンの生成をブロックします。
- メラノサイトへの作用 メラニンを生成する細胞「メラノサイト」の活動を弱める作用も報告されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | ハイドロキノンクリーム / 軟膏 |
| 分類 | 医薬品(医師処方) |
| 使用方法 | 原則として1日1回(夜推奨)、洗顔・スキンケア後に、シミの部分より少し広めにはみ出すように塗布してください。 |
料金
| 項目 | 料金(税込み) |
|---|---|
| ハイドロキノンクリーム / 軟膏 | 5%ハイドロキノン軟膏 5g:1,100円 10%ハイドロキノン軟膏 5g:1,850円 |
使用できない方、注意事項と副作用
使用できない方
- 本製品の成分にアレルギーをお持ちの方
- 妊娠中、授-中、または妊娠の可能性がある方(安全性が確立されていないため推奨されません)
注意事項
- 紫外線対策の徹底: ハイドロキノン使用中に紫外線を浴びると、逆にシミが濃くなるリスクがあります。季節や天候を問わず、毎日必ず日焼け止めを使用してください。
- 品質管理: ハイドロキノンは非常に酸化しやすく不安定です。開封後は冷蔵庫で保管し、5%は3ヶ月以内、10%は1ヶ月以内に使い切ってください。 茶色く変色したものは使用しないでください。
- パッチテスト: 使用前に腕の内側などでパッチテストを行い、アレルギー反応が出ないか確認することが推奨されます。
- 使用期間: 漫然と長期間使用するのではなく、医師の指示に従い、休薬期間を設けることが重要です。
副作用
- 現時点では、報告されている重篤な副作用はまれですが、体質によっては、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などの刺激症状(接触皮膚炎)が出ることがあります。
- ごくまれに、高濃度の製品を長期間使用した場合などに、肌の色がまだらに白く抜けてしまう「白斑」のリスクが報告されています。
- 異常を感じた場合は、速やかに使用を中止し、医師にご相談ください。
本ウェブサイトの情報は一般的な知識の提供を目的としており、個別の診断や治療法などの提供、推奨を行うものではありません。症状に関するご相談は必ず直接クリニックを受診して、医師の診断を受けて下さい。また、診療に当たっては同意書への同意などクリニックが定める所定のお手続きを行って頂く必要があります。予めご了承下さい。